全英オープンゴルフ 2016 3つの全英オープンが始る
全米オープンが終わると次は全英オープンの季節。7月には、3つの全英オープンが開催される。本戦は順番に、7月14日~17日全英オープン。7月21日~24日全英シニアオープン、7月28日~31日リコー全英女子オープンと3週連続での開催となる。
今回は、各大会について横道から紹介しよう。
まずは、全英オープン。
世界最古の選手権、今年で145回目を迎える。開催地は、ロイヤル・トゥルーンゴルフクラブ。9回目の開催コースとなる。
全英オープンというかイギリスやスコットランドのゴルフコースというのは、基本的にリンクスで、つまり海岸沿いにあり、強風と湿った雨という印象が強い。(そればかりでもないらしいが、内陸のゴルフコースは見たことがない)
全英オープンの場合、いくつかのコースを持ち回りで数年後とに開催されている。そこにたまに新しいコースが入ってきて、いいと持ち回りに加わる感じでコースが決定されていく。
中でも、聖地と呼ばれる、セント・アンドルーズ・オールドコースは、1990年以降5年おきに開催されることが決まっている。
戦後の全英オープンを制したプロで優勝回数が最も多いのが、トム・ワトソンとピーター・トムソンの5回。ついで、ボビー・ロックの4回、ジャック・ニクラウス、ゲーリー・プレイヤー、セベ・バレステロス、ニック・ファルド、そしてタイガー・ウッズの3回となる。
中でもセント・アンドルーズを2度制したのは、ジャック・ニクラウスとタイガー・ウッズの2人だけ。
で、このセント・アンドルーズの話に戻るのだが、2005年の大会は、本来セント・アンドルーズでの開催ではなかった。2006年の予定であったのだが、この年の全英オープンを引退試合とジャック・ニクラウスが声明を出したため、急遽1年前倒しでセント・アンドルーズでの開催となったという名誉な出来事があった。さすがは帝王ジャック・ニクラウス。ちなみにこの年の優勝者がタイガー・ウッズだった。タイガー・ウッズは、セント・アンドルーズでの開催を2回連続で制した大会となった。
次に、全英シニアオープン。
全英シニアオープンは、1987年にレギュラーツアーの一つとして開催され、2003年にメジャー大会に昇格した大会。メジャー以前井はゲーリー・プレイヤーが3回、メジャーになってからトム・ワトソンが3回制している。全英シニアオープンは、トム・ワトソンにとっては、切っても切れない関係にある。彼が持つ最年長予選突破記録を64歳まで更新したのだ。
では日本人選手の活躍はどうかというと、メジャー大会に昇格するまえの2002年大会で、須貝昇が優勝しているのだ。翌年メジャーになりトム・ワトソンが優勝しているのだから、「何にも言えねー」としか言いようがない。
最後にリコー全英女子オープン。
この大会も、3つの歴史を持っている。初回開催は、1976年。LPGA(米国の女子プロゴルフ競技団体)のツアー認定になる前で、1993年まで開催。1994年から2000年までLPGAの認定競技となり、2001年からはメジャーに昇格している。
1987年から2006年までは、ウィータビックスというシリアルメーカーがスポンサーであったため、ウィータビックス全英女子オープンという名称であったが、2007年以降はスポンサーが情報機器メーカーのリコーに替わったため、リコー全英女子オープンという名称になった。
日本人のメジャー大会制覇といえば、正式には1977年の樋口久子の全米女子プロゴルフ選手権だけとなっているが、岡本綾子が、1984年にこの全英女子オープンを制しているし、2013年からメジャーとなった女子のエビアン・マスターズは、宮里藍が2度、小林浩美が1度制している。
当時はメジャーではなかったものの、メジャー大会クラスの大会を日本人も制しているということに、誇りをもてる。
さて、今年はそれぞれどんな大会になるのか、楽しみですね。
(画像転載:内田眞樹/GDO、2015年の全英オープンから)